ロシアによるウクライナ侵攻後、ロシアのカバルダ・バルカル共和国出身のカンテミール・バラーゴフ監督は、国外へ脱出。
ウクライナ出身のプロデューサー、アレクサンドル・ロドニャンスキーはSNSで反戦のコメントを連日投稿しています。息子がゼレンスキー大統領の経済顧問を担当し、更にはロシア政府の行動を公然と非難しているロドニャンスキーの作品は、ゼレンスキー大統領出演作と共に名指しでロシア政府から放映や公開が禁じられています。
日本での公開に際し、二人から反戦のメッセージが届きました。
戦争と、それを招いたロシア政府の政治的決断に強く反対している。
だから私はロシアを去らなければならないと感じた。
この戦争は、ただ普通に人生を送りたい何百万という人々にとっての悲劇だ。
彼らの多くにとっては、この戦争を乗り越えること、
これからの人生を送ることが難しくなるかもしれない。
ましてや、不可能になるかもしれない。
これは、『戦争と女の顔』で描かれていることと一緒だ。
戦争より悪は存在しない。
カンテミール・バラーゴフ(監督)
私は今までロシア大統領選で投票をしたことがないが
(ウクライナのパスポートを持っているので)、耐え難いほど恥じている。
そして、とてつもなく深い悲しみにいる。
戦争に言い訳などはない。どんな主張があったとしても。
私はよく覚えている。ソ連が私たちにアフガニスタン戦争の絶対的な
必要性を説明した時のことを。それが悲劇的な間違いだったと認めるまで、
10年の月日を費やし、15,000人のソ連兵士と100万人近くの
アフガニスタン人の命を犠牲にしたことも。
今日、ベトナム、イラク、アフガニスタン戦争など自国の戦争について
言い訳できるアメリカ人はほとんどいない。
そして、またしてもこの戦争は痛ましい過ちだ。
国家の経済が崩壊し、私たちの国が世界的な孤立の中停滞し、
かつてないテクノロジーの格差が深まるから、という理由ではなく、
この過ちにおける恥は消え去ることがないからだ。
これは私たちの子供や孫の代にも残る。
私たちは黙ってはいられない。戦争に「NO」を。
アレクサンドル・ロドニャンスキー(プロデューサー)